『報復の緊縛インモラル 風間ゆみ』

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男は過去に生き、女は今しか生きれない~縄が繋ぐ男と女情念の世界

男は昔を振り返る、女は今を生きる、とはよく言ったものだ。もし今ある幸せで平凡な暮らしに、突如過去が降ってくる瞬間があるとしたら、男は?女は?一体どうなるのだろう。人生においていつ何時、誰と重なり合うかなんて、想像だにできないことだ。本作では、そうした人間模様を描き、過去にしがみつく男とそれに翻弄される女の恥辱に満ちた物語となっている。

栗原教授は次回の研究費捻出のために非合法な手段を使うが、助手の風間の讒言によって失脚してしまう。それから4年後、相変わらず失意の日々を送る栗原は偶然、風間とかつての自分の恋人ゆみをみかける。あの事件のあと、風間とゆみが結婚していたことを知った栗原の心に深い嫉妬の炎が燃え盛り、彼はある決意をするのだった―。

衝動を抑えきれないのか、計画的なのか、風間宅に押し入り、リビングで否応なしの後手縛りの陵辱。抵抗するゆみは乳首を舐められ、顔を歪めながら「やめて、もういいでしょ」と逃れようとするが、たちまち下半身を露わにされてしまう……。

あの頃とは違うんです……」そんな声も虚しく、縛り上げられたままクンニで仰け反り、「いや、もうやめて!」と叫んでみてもかつての恋人だけあって、ゆみの快楽スポットを心得ているのも、ゆみの動揺を誘う。縄を振りほどこうともがくほど、縄は深く肉体を締め上げる。食い込む縄のアップも、痛みと屈辱を描き出す。「お願い、触らないで!」下着越しにクリを弄ばれるたびに、眉間のシワが一層深くなっていく。粘着質な愛憎は深い闇だ。脱がされてしまってからの数秒は、ゆみの秘部が開脚して花開いた様子をじっくり覗き見ることができる。「思い出してくれたか?」「違う、そんなんじゃない……」なんて言葉攻めされながらも、ゆみのアソコはいやらしい音を立ててしまう。心と身体は別なのか、それとも身体に心は従っていくものなのか? 強引に30cmはあろうかという巨大なディルドを押し込まれ、それはもがくほど深く陰部にめりこんでいく。。足舐めまでさせられ、虐げられるゆみは苦悩の表情で逃れようと這う。

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 数日おきに栗原は訪れ、後手縛りで犯しては帰る報復の日々。恥辱に満ちたゆみの表情は歪み、苦痛と恥辱に耐え忍ぶ様子がぞくぞくするだろう。

浴室・和室・キッチン・寝室と場所を変えながら、後手縛りでのプレイは続く。前半ではイラマチオで喉を突かれて息も絶え絶え。喉を鳴らし、咳き込むほどに。頭を掴まれ、眉間とこめかみの血管が浮き上がり、おうおうと唸るような声を上げながらもペニスを口から離してはもらえない。浴室ではそのまま口内発射で、垂涎と精液で虚無感を与えられてしまう。手錠をかけられて、ワンワンスタイルの熟女ボディは、リアリティーに満ちた感覚に陥る。しかし、後半ではゆみは自らからペニスにかぶりつき、じゅるじゅるといやらしい音を鳴らし、後手縛りでもっとくださいと言わんばかりのフェラチオ。上からのカメラアングルで立ちフェラするゆみの表情も見ることができる。モニター越しに自分で犯しているかのような錯覚を抱けること間違いなし。

 栗原という初老の男と、ゆみという人妻熟女だから、何をおいても卑猥感が満載。中高年の性欲表現とモラリズムの崩壊がここにはある。禁断のプレイが、夫不在の自宅ですべてなされているだけでも、スリルと興奮を覚えてしまうはず。

 自分の身体を現在の夫よりもよく知る栗原という過去からの来訪者。自分の未来を打ち壊した男の妻に収まったかつての恋人であるゆみ。一度は決別しながら皮肉な運命によって再会した男と女。立場の逆転した男と女。強引なレイプまがいの行為から始まって、夫のいない時間を次第に占有していくかつての男…。いわゆる「寝取られ」とは異なる、知らないところで自分の妻が自分の知らない顔を開花させているのかもしれない…という妄想を具現化した王道のAVストーリーなのだが、影を滲ませた栗原良と、身体からにじませるような幸福感と裏腹の被虐性を開花させていく風間ゆみだからこそ体現できた「熟れ切った大人のエロス」に満ちているのも本作のポイント。この2人だからこそ後半の緊縛、熱蝋責めとエスカレートする責めがドラマの中の性行為としてしっかり根ざしてくる気がする。

 過去、幾度となくSMプレイもこなしてきた風間のもち肌に食い込んでいく縄。自らの老いを感じさせる男根の代わりに執拗に垂らされる熱蝋。かつての恋人に対する憎悪と隠し切れない慕情がないまぜになった、転落していく男の歪んだ愛情表現。人妻を絡めとる縄を通して、次第に変化してゆくゆみの心と身体の微妙な変化とやりきれない男の荒んだ行為の背景もそっと想像させる行間のある映像。

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 あくまでAVというのは男性が見ることを前提に作られているのだから、男性目線の愛情表現(身勝手ではた迷惑な…)は当然ですが、女性目線で見るとラストの方であくまで今を生きる女の強さと、包容力の強さが風間さんのむちむちなボディを通して伝わってきて、どこか滑稽ですらある栗原という男がかわいく見えてきたりして…。

 栗原が指名手配同然の身と知ったとき、ゆみがとる行動がクライマックスでの見せ場になるのだが…全部書いたらもったいないのであとはご覧いただきたい。シチュエーションごとに楽しむのではなく、全編通して観ることでラストの抜き所は大きく変わってくるはずだ。

SMというプレイを通してみじめったらしい初老男の嫉妬、怒り、そしてこらえきれない情愛が女に変化をもたらす様を描いた本作、疲れた中高年諸兄には癒しになる筈である。

TEXT by : 文=角 由紀子

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