特選AVレビュー『縄 雪村春樹・川上ゆう』

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緊縛界の巨匠・雪村春樹とSM界の女帝・川上ゆうによる縄遊戯。淫雨が窓を叩き打つ音が悲しく響き、麻縄の軋みと絡み合う。月明かりが差し込む薄暗い日本家屋で繰り広げられる耽美な縛りの世界に、いつしか心も身体も芯から濡れゆく……。

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言わずと知れたSM女王・川上ゆうは、麻縄に酔いしれる姿が妖艶だ。ハードな縛りもお手の物で、常に女王としてのド迫力がある。時折魅せる「素」の表情が観るものを惹きつけて離さない理由。女体というのは実に千差万別だが、彼女の肉体は息を呑むほどの美しさ。白くてマシュマロのように柔らかな肌や、淡いピンクの色に染まった唇には吸い込まれそうになる。そして、触れたくなる衝動に駆られるのだ。そして、涙もろい一面があるのも、女性らしさが溢れるところ。感極まってホロリと流れ落ちる彼女の涙を観てしまったら、思わずこちらまで感情が揺さぶられてしまうのだ。男は女の涙に弱いもの。それが、我慢の涙だとしたら?余計に性的興奮をそそるだろう。

 本作は、2008年に「真・雪村春樹大全集2」として発売されたものから、川上ゆうにスポットを当てて再編集したもの。本編未使用の映像がふんだんに使われており、新たな形で楽しむことができる。雪村春樹は緊縛界の巨匠として名を馳せてきた人物で、数多くの女優を麻縄に沈めてきたわけだ。女のすべてを知り尽くした雪村春樹が賞賛して止まなかった女優のひとりが、川上ゆう。SMの世界では名を知られた2人の大物が麻縄を通じた交わりを持つと、濃艶な時間が流れ出す。

雨が窓や戸を叩く物憂げな夜、月明かりがうっすらと差し込む廊下、使い古された畳。シチュエーションも絶妙。本作中の雨は、まさに天からの恵みだ。さざ波のように座敷内で反響し、全体が官能的な仕上がりになっている。冒頭から、純白のロングキャミソール姿で川上ゆうが登場。色白の肌と彼女の雰囲気にぴったりだ。薄い布地から透けて覗く乳首の陰影が、視覚的興奮を呼び覚ます。雪村春樹の縄遣いは繊巧で、麻縄を食い込ませては、女体の感度をどんどん上げていく。シンプルな「縄」というタイトルが胸に染みる映像ばかり。余分なものが一切ない。雨が滝のように窓ガラス越しに流れる映像をバックに、柱に1本縛りにされてしまう裸身は、まるで水墨画のような美しさだ。どんなBGMより、休みなく降り注ぐ雨音が、しっとりしたムードを奏でているのがポイント。作品内で川上ゆうが流す涙とリンクする部分がある。実際、カットの声がかかっても、彼女の涙が頬を濡らし続けるところは、艶やかでありつつ純真無垢だった。すべての罪と悪が、雨で洗い流されていくかのように……。オフショットを挟んで次のチャプターへ移行するため、ちょっとした箸休めのつもりで、休憩シーンもチェックしておこう。

シチュエーションを大きく変えずとも、道具を変えずとも、麻縄1つでここまで女は絆されてしまうのか。手ぬぐいで猿轡され、軋む麻縄の音が一段と身体に響く。だから、自然と心も身体も昂ぶっていく。「縄で抱く」そんな言葉がこの2人には相応しい。中腰になって股縄で身悶え、眉間に深い皺を寄せる表情は、やっぱりマゾヴィーナスだ。操られているのに、自分でも腰を浮かして快感を得ようとする。どこまでも貪欲な姿勢が好きだ。

本作は、2チャプター構成で、柱縛りと胡坐縛りを中心にしている。チャプター1では、柱固定で開脚し、秘ビラが露出。羞恥と悦が交差する様子が垣間見れる。川上ゆうの素肌はどうしてこんなに美しいのだろう。オイルを塗ったみたいな輝きを放ち、女の色香がぷんぷんする。画面越しに匂いまで伝わるような感覚だ。若さばかりが女の魅力じゃないということを、肉体を持って証明しているのだ。チャプター1は、そんな経験値を踏んだからこそ魅せることができる、女性ホルモン全開のぷるぷるフェロモンボディーがたっぷり拝める。艶のある裸身を存分に堪能してもらいたい。

チャプター2では、襦袢を羽織った姿で登場。1枚羽織るだけで、グッと印象が変わる。全てを晒さないエロさは、焦らし効果抜群。ここは焦らず、ゆっくりじっくり先へ進もう。チャプター1では、ナチュラルなダウンヘアスタイルだったが、チャプター2ではアップスタイル。うなじから首元のラインが絶妙な色気。胡坐縛りがメインの構成で、シチュエーションは同じでもより拘束度が増す。廊下からの映像と俯瞰映像が入れ替わりながら、秘ビラや表情をしっかり映し出すのも嬉しい。前傾姿勢で苦痛に耐え忍び、解放されたかと思えば、秘部を指や舌で弄り倒される。ここでちょっとした雪村春樹との絡みがあるのもテンションが上がるはず。男女の絡みは、いつ誰でも興奮を覚えるものなのです。筆者一押しのシーンを紹介しよう。チャプター2の中盤で、座布団に仰向けのまま、獣のように柱に固定され、尻をカメラに向けるシーン。川上ゆうのエロさが全開になる、最高の景色だ。尻の丸みと濡れた秘ビラが淫猥なショット。川上ゆうは、尻の上にちょっとしたえくぼができるのがチャームポイントである。バックショットの時は必ずこのえくぼを抑えておきたい。俯瞰からの角度も要チェック。縛られた胸元からはみ出す乳房もボリュームたっぷり。寝そべっても谷間はしっかりあって、無性に性欲と妄想を掻き立ててくれる。恥ずかしそうに顔を背けているところも可愛らしい。終始、甘い吐息が雨音と混じり合う。音・映像ともに申し分ない仕上がり。尻を突き出したまま、後ろ手に拘束。不安定な姿勢でも、美味しそうにたっぷりの唾液を含ませた舌で、丹念に足指舐めで奉仕する姿も健気な奴隷のよう。長い舌が淡い唇からそっと伸びて、滑らかに雪村春樹の足元を濡らしていく。虚ろな視線とリップ音がなかなかの淫らさ。ここでも尻のバックショットが楽しめる。秘ビラが左からの照明で陰影がくっきり。丸み帯びた尻は、やっぱり色っぽい。ここでカメラアングルが顔に寄る。額に脂汗を滲ませ、紅潮した表情も必見です。口元のアップもすっごくエロい。彼女がオルガに達した直後を想像しそうなほど、興奮する映像になっています。舌先の動きと合わせてチェックしたいポイントでしょう。

麻縄を解かれてから、羞恥のマングリ返しへ。視線を合わせて、快感はいよいよ極限に達する。クンニしている舌の動きが目に入っては、吐息と喘ぎが一層大きくなる。このシーンは短いけれど、非常に濃厚な絡みといえるでしょう。このまま作品は終盤へと向かうのでした。締めにひと絡みありそうな盛り上がる予想を呈する展開に……。もっと観たい!と食い入るポイントでした。この先は、2008年発売作品でおさらいをするといいかも。

本作は、緊縛界の巨匠・雪村春樹とSM女王・川上ゆうにスポットを当てた、縄遊戯がみっちり楽しめる作品。情欲的な麻縄の動きと、締め付けられて身悶える肢体が、視覚と聴覚で本能を刺激する。この世を去った雪村春樹の縛りは、今もこうして痕跡を残し続けているのだ。女体に残る縄痕と同じように……。川上ゆうの肉体はいつ観ても麗しい。刹那的な視線や動きの1つ1つが淫靡で、何回観ても飽きることがない。

 

(文—角 由紀子)